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体当たり突撃レポート~手術室編~

さて、いよいよ禁断の扉の向こう、関係者以外立ち入り禁止区域の手術部です。
大学のHPによると13手術室あるそうで、私の手術は確か「第3手術室」(だったはず。忘れた。)
これまた大学のHPによると「予定で7時間を越える手術は大手術という分類」だそうです。
私の予定時間は「4時間」なのでこんなの小手術です。

手術部は3階にあります。
前日に下見済み。
受け持ち看護師さん、ママと共に手術部まで行くと入口の自動ドアの所で主治医マジメくんと担当医である研修医の女医さん、それに前日に説明&挨拶に来てくれた本日の麻酔科の担当の先生、もう1人なんかの先生、そしてこれまた前日に説明&挨拶に来てくれた担当の看護師さんがお出迎え。
おおっ!!!なんだか大歓迎状態、VIP気分(笑)
入口で名前を言う(先生も分かっていることだけど確認の為にこの作業が必須)
ママ&受け持ち看護師さんとはここでお別れ。
看護師さんが「お母さんはICUの入室説明があるので待合室に行かれる前に説明聞いて下さいね。」とのこと。
ママには「手術待合室は暗い気分になるから病室で遊んでる方がいいよ。」とアドバイス。
ママも「じゃーそうするわ。病室の方が面白いし。」と言ったらマジメくん達が「えっ?お母さんここで待ちませんか?(笑)まぁーどこで待っても一緒だし一人だったら上の方がいいかも(笑)」とのこと。
ママとも「ほなまたあとで。」と私も軽いながら、ママも「いってらっしゃーい。がんばってきて~。」とえらい軽い(笑)
ここで手術部の自動ドアは閉まる。

マジメくんと担当医の先生が「じゃー僕ら着替えてくるから先に入っててね。」とどこかへ去っていく。
「じゃー行きましょうか。」と麻酔の先生ともう1人謎の先生と看護師さんと一緒に奥の方にずんずん入っていく。
おおっ!!!!なんだかすごいぞ!!!!他の手術室は閉まっているので手術中らしい。
もうキョロキョロしまくり、立ち止まったりしてじっーーと観たりしてるもんだから、謎の先生が「なんか気になるもんでもある?」と言うので「カメラ持ってきたらよかった・・・」と言う私に「おもろいか?(笑)」と笑うので「こんなすごい所ドラマとかテレビでしか見たことないし、いやーん、なんかすごいですやん!!」と早くも興奮状態の私。
「手術室の中はほなもっとおもろいで(笑)」というわけでいよいよ突撃っ!!

きゃっーーーーーーーーーーーーーーーーーーO(≧∇≦)O

すごいわっ!!!ERだわ!!救命病棟24時だわ!!医龍だわ!!ゴッドハンドを持つ医師ドキュメントだわ!!!

一気にテンション上がりまくる。

うぉっーーーーーーーーーーーーーーー写真とか撮りたいぃぃぃぃいいい!!!!!

「カメラ忘れたんは不覚やな。残念やったな(笑)」と謎のじいさん先生に笑われる。
「持ってきたら写真撮ってもよかったん?」と聞くと「いや、あかんで。持ち込み禁止や(笑)」と言われる。
ちっ。あかんのかいっ。

あれ何するもん?それは?これは??
とすっかりテンションあがりきって質問攻め子供状態の私に向かって
あっちのモニターは腹の中見えるモニターでな、あっちは心電図とか見るモニターや・・・・などとえらく親切に説明してくれる謎のじいさん先生。
「あんたえらい好奇心旺盛やな。手術室の中でこんなに楽しそうにされたん初めてやわ(笑)」と笑われる。

えっーーーー、今にも死にそうな重症ならまだしもこんな元気な状態で手術に突入するならこれぐらいの好奇心普通やろ?
と言う私に「普通の患者は緊張して無言やで。皆けっこう思いつめたマジメな顔してるわ。」と言われる。

え?そうなん?・・・・( ̄▽ ̄;)

看護師さんが「じゃー、手術台の上にのぼりましょうね。高いですから大丈夫ですか?」と言われるが「大丈夫です。」とおらよっと上る。
またまたじいさん先生が「あんた身軽やな(笑)」と褒めてくれる。
手術台はめっちゃ細いので「これはみ出て落ちたりしないか心配やわ。」と言う私にじいさん先生は「大丈夫や。でぶでもこの台で手術するから余裕や。」とのお言葉。

仰向けに寝たら看護師さんが「それじゃー心電図などのモニターをつけていきますね。手術着開けますね。」とわきの下のホックをはずして表面脱いじゃいます状態。
私が「あっ、パンツはいたまま。」と言ったら「大丈夫ですよ。後からこちらで脱がさせてもらいますけどちゃんと病棟のご家族にお返ししておきますからね。」とのこと。
そして胸にいろんなシール張られてなんか足とかにも張られて指にもなんかはめられて心電図などがどんどん繋がれていく。

じいさん先生が「こんな手術するの初めてか?」と聞くので「盲腸切っただけかなー。そうそう盲腸切ったの20年程前やけどA先生に切ってもらってるねん。」(A先生ってのはこの大学病院の乳腺外科の先生なんだけどうちの近所の病院に週に一度来ている。)と言ったら「20年前やったらあいつもまだ下手やったやろ?ちゃんと切ってるか?(笑)」と言うので「ほらほらキレイに切ってる。」と盲腸のあとを見せる。
それを聞いていた看護師さんが「え?A先生?あれ?今日の手術胸じゃないですよね。A先生って聞いたら一瞬間違ったかと思いました(笑)」と胸に貼っていた心電図の場所を確かめる(笑)
いえいえ、今日はお腹の手術です(笑)

じいさん先生が「あんまり大きい傷ちゃうけど今回は腹にいくつか穴あけるからけっこう傷跡ちらばるなー・・・」と言うので私が「今回6箇所切るって聞いたから盲腸の傷入れたら7つやし腹に北斗七星を持つ女になりますねん。」と言ったら「ぶははは(爆)うまい!!うまいこと言うなー。それかっこええなー(爆)あんたおもろいわ(爆)」と爆笑される。
これ以降私の今回の手術痕は「腹に北斗七星を持つ女」の名でおなじみとなる。


モニターのセットなどもすべて終わったので看護師さんが「寒いからブランケットかけますね。」といちごの模様のラブリーなキルティングのブランケットをかけてくれる。
「いちごでラブリー」と言う私に看護師さんが「そうでしょ?でもそう言われたの初めてです(笑)」とのこと。じいさん先生が「普通はそんなん見てる余裕ないからな(笑)」とまた笑う。」

なんか後ろの方でごそごそと準備していた麻酔科の先生が「じゃー、先に硬膜外麻酔しましょうか。」とやってくる。
術後3日間程痛みを和らげる為に硬膜外腔というところにカテーテルを入れてそこから常にモルヒネなどが入っていて痛みを和らげるという素晴らしいもの。
ただ、これは背骨と背骨の微妙なところにカテーテルを入れるので意識のある内に先に局所麻酔して処置をする。

背中の局所麻酔・・・・・盲腸の時に死ぬほど痛かった割には全然聞かなくて結局全身麻酔で手術した私。思いっきりトラウマになっている。
前日に麻酔の先生が説明に来たときも「トラウマです。私は痛みに我慢弱いです。今回の手術で何が一番不安って背中の局所麻酔です!!!」と訴えたぐらい。
マジメくんにも「麻酔のうまい先生指名してよ!!!!」と訴えまくったぐらい。

麻酔の先生に「昨日も言ったけど痛みに我慢弱いから頼みますよ!!!」と騒ぐ私にじいさん先生が「大丈夫や。わしがちゃんと見てる。」とのこと。
そこでふと思った。今日、一番仲良くしゃべって一緒に盛り上がってくれるじいさん先生あなたは何者?
「あの・・・今更ですけど先生ってなんの先生なんですか?」と聞く私にじいさん先生は「わし?わしはこう見えても麻酔の師匠や。あいつはわしの弟子やからまかしとき。」とのこと。
おっーーーーーーーーーーーあなた様はお師匠様でしたか<(_ _)>
「で、師匠じゃなくて弟子がするの?」という私に弟子が「あっ、今、弟子で大丈夫か?って不安になったでしょ(笑)」と言うので「師匠、弟子の腕前はどうなんです?」とこっそり聞いたら「大丈夫や。こいつは弟子の中でも上手い奴や。まかしとき。弟子、お前ちょっとでも痛くしてみろ。許さんぞ。」とのこと。
弟子が「先生やめてください。それめっちゃプレッシャーです(笑)」とビビる。
師匠が「アッペ(盲腸)したの20年ぐらい前や言うたな?その時めっちゃ痛かったんやろ?その時の痛さ思い出して想像しててみ。今回のはそれに比べたら格段に痛くないはずや。医学の進歩はすごいで。感動的やで。まぁーちょっとやってみ。痛かったら痛いって言うたらええから。わし見とくし大丈夫やで。」とのこと。
弟子が「じゃー局麻しますよ。ちょっとチクってした後に麻酔のお薬が入ったらちょっとじわっとした痛さがありますからね。」とのこと。

いてっ。

確かにチクっとした痛さ。思ったより痛くない。
でも私の「いてっ。」って言う声に師匠が反応して「わしの方が局麻はうまかったかもしれんなー(笑)」と言う。

そしてなんだかじわっ~とドーンとした感じ。

弟子が「どうです?痛い?」と聞くので私が「腰がだるい生理痛のような重い痛さ。これ生理痛やわ。」と答えると師匠が「生理痛かー・・・それは30年麻酔医やってて初めて聞く表現やなー。なるほどな。今度から女の患者さんに言う時は生理痛みたいな痛さですよって言うのもええかもな。」と感心するので「師匠、生理痛のような痛さってわかりますん?」って聞いたら「いいや、わし生理痛なったことないからわからんわ。」と言われた。あかんやん。説得力ないやん(笑)

弟子が「今から背中に細いチューブ入れていきますね。痛かったら言って下さいね。」とのこと。
最初ちょっと痛くて「あっ、それ痛い痛い。」と言うとちょっとゆるめてくれた。
「なんか感じます?」と聞くので「ううん。なんかしてるの?感じない。」と答えると師匠が「弟子お前それやるの上手いよなー。わしより上手いわ。弟子にやらせて正解やったで。」と私に言う。

「はい。終わりましたー。」と弟子の声。
「先生上手いわ。痛くなかったわ!!」と絶賛する私に弟子が「でしょ?ちょっと皆にも宣伝しといて下さいね。麻酔うまかったわって。」と言う。
師匠も「指導がええからなー。麻酔のメガネ(弟子はメガネかけてた)うまかったでって宣伝しといたって。」とのこと。
看護師さんが「それじゃーもう一度仰向けになりましょうか。」と私の体の向きを戻そうとするので私が「背中のチューブ大丈夫なん?」と聞いたら弟子メガネが「大丈夫大丈夫。背中にベッタリとテープで固定してあるからずれないし大丈夫です。」とのこと。


その時にもう1人の担当医の先生がマジメくん達に先駆けて1人で入ってきた。
「どない?さすがに手術室入ったら緊張するやろ?(笑)」と笑いながら言うので私が「めっちゃ緊張してるわ。」と言うと師匠が「いやいや、全然緊張してへんで。」とのこと。
担当医の先生も「してへんやん(笑)なんか言うとくことあるか?」と言うので「あっ、昨日の晩の予告通りちゃんと勝負パンツはいてきたから!!」と自慢気に言う私に師匠が「おっーーー気合入っとんなー(笑)大勝負やからなー(笑)」と言ってくれたが担当医の先生は「そやけどすぐ勝負パンツ脱ぐで(笑)」と言う。
この担当医の先生はこの日は当直だと前夜言っていたので「先生今晩頼むよ。ちゃんと見に来てよ。」と言うと「まかしとけ。添い寝したるわ(笑)」とのこと。ほんま頼むで・・・

ちなみに本日の執刀医は準教授の先生。
助手はマジメくん、担当医の先生2人、それに麻酔の師匠と弟子、それに看護師さんというのが本日のラインナップ。

師匠が「ほなそろそろ麻酔入れて寝てもらおうか。昨日弟子が説明してると思うけど意識なくなってから挿管っていうて呼吸できるように喉に管入れるからな。それは意識なくなってからやから苦しくもなんともないし安心し。その管抜くのは手術終わってからや。終わったらすぐに意識戻るようにするから。意識戻って息できるってのが分かったら管抜くからな。その管のせいでしばらく喉が痛いかもしれんけど1週間もしたら治るから心配はいらんで。痛くないようにうまいことやるようにはするから。」とのこと。
「手術中はわしも弟子もずっとついてるから安心しとき。痛くないから。手術後もさっき入れた背中の麻酔で痛くないから。」とのこと。
頼んだぜ師匠&弟子!!!

私が「なんか意識失うのもったいないわ。手術するのも見てたいわ。」と言ったら師匠が「ぶはは(爆)ほな麻酔なしで切るか?痛いで~(笑)」と言うので「それはイヤや。名残おしいけど意識失うわ。」と言ったら「あんた最後までおもろいなー(笑)30年いろんな手術立ち会ったけどあんたおもろいわ(笑)」とお褒め頂く。

「ほな麻酔入れるで。点滴のところから入っていくからすぐに眠くなるから。」

師匠が最後に「最後に今食べたいもんでも聞いとこか。なに食べたい?」と言うので「うーん・・・餃子とラーメン食べたいなー。」と答えるわたし。
師匠が「ええなー。うまそうやなー。そやけどとうぶん食べられへんで(笑)」と(笑)。

うわっーーーーーーーーーラリってきたーーーーーーーーーーーーー


実は私の記憶にあるのはこのへんまでである。

翌朝、担当医の先生が笑いながら「昨日の記憶どれぐらいある?」と聞くので「意識失う前に餃子とラーメン食べたいって言ったところかな。あのあとラリったのは覚えてる。」と言ったら「あー、そのラリったのもな大声で言うてくれたで(笑)意識失う最後の言葉はな・・・


うわっーーーーめっちゃラリッてきたーーーーー

それではみなさんよろしく~~


やったわ(爆)挨拶してくれて礼儀正しかったで(爆)
その言葉を最後にバタっと意識失ったわ(笑)
そして意識失った途端に手術室に静寂が訪れたわ(爆)(爆)」とのことでした。


あいやー・・・・・( ̄▽ ̄;)

そのへんはまったくもって記憶にございません。
って言うか声に出したのか夢なのか定かではございませんでしたがしっかり声に出したらしいです。


それではここから手術開始です。
残念ながら手術中は意識がないのでレポートできません。
次の突撃体当たりレポートは「萌え♥きゅん♥ICU編」です。

by oppako | 2008-04-13 23:39 | 2008年4月日記  

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